文献詳細
文献概要
連載 人づくりの足跡・3
赤ちゃんから高齢者まで,世代を越えてふれあい暮らせるまちづくり―「ふれあいの家おばちゃんち」
著者: 渡辺美恵子1 三井ひろみ
所属機関: 1NPO法人「ふれあいの家おばちゃんち」
ページ範囲:P.138 - P.144
文献購入ページに移動風変わりなネーミングの家の中が気になって覗いてみると,店先の奥に8畳間ほどの板張りとたたみの部屋があり,いろいろな年齢の子どもたちが楽しそうに遊んでいます.子どもと一緒に積み木をしているおばちゃん,絵本を読んでいるおばちゃん.お母さんらしい若い女性とおばちゃんがお茶を飲んで,おしゃべりの華が咲いていて,あったかなぬくもりに満ちていました.通りがかって,興味本意に覗き込む私に「上がって,上がって」と声をかけてくれる女性.ふくよかな笑顔で手招きします.ふっと子どもの頃,隣の家の茶の間に上がって,おやつを食べたり,おばちゃんに遊んでもらった記憶が鮮ってきました.私は門前町の商店街で暮していたので,学校から帰ると隣近所のお店のお宅に気軽に上げてもらって,過ごしていた時間が日常の中にたくさんあったものです.大人になった今,改めて周りの子どもたちの居場所を見てみると,隣近所の家に上がり込んでご飯を食べさせてもらったり,世話を焼いてもらったりする光景は滅多に見られなくなりました.
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