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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻2号

2010年02月発行

文献概要

海外事情

ウィーンでのヨハン・ペータ・フランクの事跡を訪ねて

著者: 華表宏有1

所属機関: 1産業医科大学

ページ範囲:P.175 - P.177

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 ヨハン・ペータ・フランク(Johann Peter Frank/JPFまたはフランク,1745~1821年)は,その生涯を賭して『完全な医事行政の体系』(6巻)をまとめ上げた衛生学者として,医学の歴史にその名前をとどめている.先に筆者1)は,彼の故郷ロダルベン(ドイツのファルツ地方)を訪ね,新たに命名された生家前の「JPF広場」とそこに建立された一連の記念碑について,その概略を記した.

 はじめてロダルベンを訪問した際に,当地で入手したJPF協会編集の文献2)から,彼が勤務したさまざまな土地に,事跡があることを知った.そこで2008年4月,2回目のロダルベン訪問の後,ブリュクザル(バーデン地方),イタリアのパヴィア,コモを訪ねた他,ウィーンでフランクの事跡を見てまわった.ウィーンには2008年10月にも1週間ほど滞在して,医学関連の事跡を見学したが,その際に参考とした文献は,2人の麻酔医(ウオルフガング・レガルとミカエル・ナヌート)がまとめた医師のための案内書3)とエルナ・レスキのウィーン医学史4)である.

 本稿では,ウィーンにおけるフランクの活動の舞台となった旧総合病院(Allegemeines Krankenhaus/AKH),そして現在は医学史博物館となっているジョセフィヌム(Josephinum)の成立過程などにも触れながら,彼にまつわる事跡について述べてみる.

参考文献

1) 華表宏有:ヨハン・ペータ・フランクの故郷ロダルベンを訪ねて.公衆衛生73(12):965-967,2009
2) Johann Peter Frank-Gesellschaft(Herausgeber):Johann Peter Frank 1745-1821 Gegen Armut und Krankheit Leben und Wirken eines grossen Artztes. Rodalben, 2007(ISBN 3-00-012949-9)
3) Wolfgang Regal, Michael Nanut:Vienna A Doctor's Guide 15 walking tours through Vienna's Medical History. SpringerWien, NewYork, 2007
4) Erna Lesky:Meilensteine der Wiener Medizin Grosse Ärzte Österreichs in drei Jahrhunderten. Verlag Wilhelm Maudrich, Wien-München-Bern, 1981

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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