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特集 公衆衛生再考
黎明期の公衆衛生―「大日本私立衛生会」を中心に
著者: 阪上孝1
所属機関: 1中部大学人文学部
ページ範囲:P.186 - P.189
文献購入ページに移動明治4年から1年半,米欧の医学教育の調査を目的に岩倉使節団に随行した長与専斎は,米欧には「国民一般の健康保護を担当する独特の行政組織」があることを知り,これを「文明輸入の土産」として日本に導入しようと考えた(長与専斎『松香私志』,p133,平凡社,1980).明治6年に帰国して,文部省医務局長に任命された長与は,すぐに公衆衛生制度導入の準備に取りかかった.
しかし当時のわが国の状況では,公衆衛生制度の実施など及びもつかないことだった.
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