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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻3号

2010年03月発行

文献概要

連載 地域保健従事者のための精神保健の基礎知識・3

精神保健と公衆衛生学/精神医学

著者: 竹島正1 松本俊彦1

所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所

ページ範囲:P.236 - P.239

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はじめに

 本連載の第1回では精神保健の定義として,“精神保健とは,「共に生きる社会」の実現の基本理念のもと,社会に起こるさまざまな問題について,精神保健の基本である人間の理解,人間の行動の理解を踏まえ,その実態と関連する要因を明らかにしつつ,社会との協働によって解決を図り,社会をよりよいものにしていく活動である”と述べた1).また第2回では精神保健の実践としての地域精神保健活動の発展の経緯について述べた.精神保健は,公衆衛生学の実践である公衆衛生行政の一部であって,精神保健の歴史は,しばしば精神保健福祉施策発展の歴史として語られる.また精神保健は,精神医学,心理学,社会学,社会福祉学等の学際的な研究をもとに発達してきたが,精神医学とその実践である精神医療および関連領域の影響を最も強く受けてきたことは言うまでもない.

 本稿では,公衆衛生学,精神医学の2つの学術領域における重要な概念と,これらの領域における精神保健の捉え方をもとに,精神保健の現在および将来について考察する.

参考文献

1) 竹島正:精神保健はどのように定義されてきたか.公衆衛生74(1):63-66,2010
2) 柳川洋,中村好一(編):公衆衛生マニュアル2009.南山堂,2009
3) 鈴木庄亮,久道茂(監修):シンプル衛生公衆衛生学2009.南江堂,2009
4) 岡崎勲,豊嶋英明,小林廉毅(編):標準公衆衛生・社会医学第2版.医学書院,2009
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12) 健康日本21 http://www.kenkounippon21.gr.jp/index.html(最終アクセス2010/01/29)
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16) 日本精神衛生会:日本の精神保健運動の歩み.2002
17) 浅野弘毅:精神医療論争史.批評社,2004
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20) 世界保健機関:国際生活機能分類―国際障害分類改定版.中央法規,2002
21) http://www.jssp.info/(最終アクセス2010/01/29)
22) 広瀬徹也:社会精神医学の定義.社会精神医学,pp16-23,医学書院,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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