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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻4号

2010年04月発行

文献概要

特集 環境リスク

多様化する環境リスクの評価とこれからの方向

著者: 益永茂樹1 村田麻里子2

所属機関: 1横浜国立大学大学院環境情報研究院 2独立行政法人製品評価技術基盤機構化学物質管理センター

ページ範囲:P.266 - P.269

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 環境リスクとは,人の活動によって環境に加えられる負荷が環境中の経路を通じ,環境の保全上の支障を生じさせるおそれ(人の健康や生態系に影響を及ぼす可能性)を言う.

 本稿では,化学物質によってもたらされる環境リスクを対象とする.前半では,環境リスクに関連する化学物質管理の国内外の動向と,化学物質の審査および製造等の規制に関する法律(以下,化審法)の今般の改正の意義を解説する.後半では,リスク評価に加えて,便益評価の重要性を解説するとともに,その事例を紹介する.

参考文献

1) 厚生労働省,経済産業省,環境省:厚生科学審議会化学物質制度改正検討部会化学物質審査規制制度の見直しに関する専門委員会 産業構造審議会化学・バイオ部会化学物質管理企画小委員会 中央環境審議会環境保健部会化学物質環境対策小委員会 合同会合(化審法見直し合同委員会)報告書,2008
2) 独立行政法人製品評価技術基盤機構:化審法における第二種及び第三種監視化学物質に関するリスク評価の技術ガイダンス(案),2009http://www.safe.nite.go.jp/risk/kasinn.html
3) Roberts DR, et al:DDT house spraying and re-emerging malaria. Lancet 356 (9226):330-332, 2000
4) WHO:WHO gives indoor use of DDT a clean bill of health for controlling malaria. http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2006/pr50/en/
5) Rogan WJ, et al:Health risks and benefit of bis (4-chlorophenyl)-1, 1, 1-trichloroethane (DDT). Lancet 366 (9487):763-773, 2005
6) 井上知也・他:臭素系難燃剤DecaBDEをめぐるリスクトレードオフ論争に関する考察.日本リスク研究学会誌19(4):21-31,2009
7) Simonson M, et al:Fire-LCA model;TV case study. SP Report 2000, p13, 2000
8) 井上知也・他:臭素系難燃剤がもたらすTV火災回避のベネフィットとリスク.環境科学会2009年会プログラム,pp262-263,2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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