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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻5号

2010年05月発行

文献概要

特集 自然毒 刺傷・咬傷―野外危険生物

わが国における野外動物の自然毒と刺傷・咬傷の概要

著者: 宇仁茂彦1

所属機関: 1大阪市立大学大学院医学研究科寄生虫学分野

ページ範囲:P.362 - P.366

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はじめに

 生物が生産あるいは保有する毒は自然毒と呼ばれる.毒を持つ生物の種類に応じて,自然毒は細菌毒,植物毒,動物毒の3つに分類される.わが国においてよく知られている有毒動物はマムシ,ハチ,フグなどである.1995年,外来種であるセアカゴケグモが見つかり,予防や治療において新たな対策が必要になってきた.また,魚類や貝類など,海洋生物から多様な種類の毒が見つかっている.

 これらの有毒動物の知識は,安全な食物の確保と刺傷や咬傷の回避にとって重要である.さらに,毒の成分や作用機序の研究は,有毒動物によって被害を受けた人々の診断や治療に必要であることに加え,新しい医薬品や研究用試薬の開発にも貢献する.

 本稿では,わが国に生息する主な有毒動物の種類とそれらの毒による症状の概要を述べる.

参考文献

1) 加納六郎:日本の有毒動物―その基礎と臨床.加納六郎博士退官記念会,1991
2) 宇仁茂彦,他:動物毒.臨床麻酔20(7):1009-1015,1996
3) 三島章義:毒をもって身をまもる?―ヘビ毒の科学. Biophilia 5(1):20-28,2009
4) Kenneth S, et al:Tropical and Geographical Medicine. McGraw-Hill, New York, 1984
5) Tu AT:中毒学概論―毒の科学.じほう,1999
6) 宇仁茂彦,他:動物毒―伝説と事実.検査と技術25(1):88-92,1997
7) Meier J, et al:Handbook of Clinical Toxicology of Animal Venoms and Poisons. CRC Press, Boca Raton, 1995
8) 吉田幸雄,他:第7版 図説 人体寄生虫学.南山堂,2006
9) 加納六郎,他:新版 日本の有害節足動物 生態と環境変化に伴う変遷.東海大学出版会,2003
10) 塩見一雄,他:改訂版 海洋動物の毒―フグからイソギンチャクまで.成山堂書店,2006
11) 相馬一亥(監):臨床中毒学.医学書院,2009
12) 野口玉雄,他:有毒魚介類携帯図鑑.緑書房,1997
13) 小川賢一,他:危険・有毒生物.学習研究社,2003
14) 宇仁茂彦:大阪市立大学インターネット講座,医動物学入門,2002 http://www.med.osaka-cu.ac.jp/med2001/uni/uni-3/Nyumon3.htm
15) 今泉忠明:第3版 猛毒動物の百科.データハウス,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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