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文献概要
特集 自然毒 刺傷・咬傷―野外危険生物
クモ・クモ毒
著者: 小林睦生1 駒形修1 二瓶直子1 吉田政弘2
所属機関: 1国立感染症研究所昆虫医科学部 2いきもの研究社
ページ範囲:P.373 - P.376
文献購入ページに移動クモの仲間は世界中で約35,000種が報告されており,多くは陸棲であるが,一部水棲のクモも知られている.日本での種類数は1,000種ほどで,多くは人に何ら危害を与えるものではなく,目立たない場所で生活している種類が多い.
クモの頭胸部には1対の毒腺がある.毒腺は牙と導管で結ばれており,毒液が糸に捕捉された獲物の昆虫や土壌動物の体内に牙から注入される.一般に,毒グモと呼ばれているクモ類の毒には,哺乳動物に対して激しい痛みの原因物質を持つもの,神経毒や細胞毒性のある壊死毒を持つものが知られている.1995年に大阪地区で初めて発見され,その後,近畿地方全体に分布域を広げているセアカゴケグモに関して,本稿では生態,毒性,分布域拡大,咬症例などをまとめる.
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