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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻5号

2010年05月発行

文献概要

特集 自然毒 刺傷・咬傷―野外危険生物

ヘビ・ヘビ毒

著者: 堺淳1

所属機関: 1(財)日本蛇族学術研究所

ページ範囲:P.377 - P.381

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日本の毒蛇

 1.九州以北

 日本ではウミヘビ類を含めて50種近いヘビが見られ,そのうち20種類が毒ヘビである(表1).九州以北では毒ヘビ3種と無毒ヘビ8種が生息している.近年,長崎県の対馬に生息するマムシはツシママムシとして別種とされたが,統計的にはマムシ咬症として扱われている.これら3種のうちほとんどが,ニホンマムシによる咬症である.

 ニホンマムシは60cmほどの小型のヘビで,九州から北海道まで生息している.色彩は茶褐色で,体の左右に丸い模様が並んでいるのが一般的であるが,色彩変異は非常に大きい.そのためヘビが判別できないケースや判別の間違いなども多い.活動時期は3月後半から10月で,春と秋は昼間,夏は気温が少し下がった夕方から夜や曇りの日,また雨の降った後に活動することが多い.

参考文献

1) 堺 淳,他:全国調査による2007年におけるマムシ咬症発生件数の推定.中毒研究,2010(投稿中)
2) 堺 淳:ヤマカガシ咬症.中毒研究20:235-243,2007
3) 平成20年度ハブ対策事業の概要.鹿児島県
4) 松田聖子,他:沖縄県における平成19年の毒蛇咬症.平成19年度抗毒素研究報告書,沖縄県衛生環境研究所
5) 平賀徳人,他:受傷後早期に著明な出血傾向を呈したマムシ咬傷の1例.中毒研究13:411-414,2000
6) 井上治:ハブ咬傷における全身性中毒作用および咬傷部の局所病変についての実験的および臨床的研究.新潟医学会雑誌102(5):283-301,1988
7) 堺 淳:輸入ヘビによる咬症.中毒研究20:245-252, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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