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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻6号

2010年06月発行

特集 肥満とやせ

肥満,肥満症の病態

著者: 宮崎滋1

所属機関: 1東京逓信病院内科

ページ範囲:P.450 - P.455

文献概要

日本の肥満

 現在,肥満の判定にはBody Mass Index[BMI:体重(kg)÷身長(m)2]を用い,日本ではBMI25以上を肥満としている.このBMI25以上の肥満者が増加し,医学的にも社会的にも問題となっているのは周知の通りである.

 第二次世界大戦後の日本人の性別,年代別の平均BMIの変化を見ると,1947年には男女とも21~22の間であったが,男性は以後全年代で増加の一途をたどり,現在の30歳以上の男性の平均的BMIは23.5~24.0であり,ほぼ2.5kg/m2増加している(図1).これは体重にすると6~8kgの増加に相当する.一方,女性は40歳代以下ではBMIは減少し続けており,やせすぎの問題が生じている.しかし,60歳代以降では体重の増加が認められている.メタボリックシンドロームの該当者も,全世代の男性と高齢の女性に多いことも,体重の増加との関連があると思われる.

参考文献

1) 日本肥満学会,肥満症診療のてびき編集委員会:肥満症,診断・治療・指導のてびき.医歯薬出版,1993
2) 吉池信男,西信雄,松島松翠,他:Body Mass Indexに基づく肥満の程度と糖尿病,高血圧,高脂血症の危険因子との関連―多施設共同研究による疫学的検討.肥満研究6:4-17,2000
3) 日本肥満学会肥満症診断基準検討委員会:新しい肥満の判定と肥満症の診断基準.肥満研究6:18-28,2000
4) 日本肥満学会,肥満症治療ガイドライン作成委員会:肥満症治療ガイドライン2006.肥満研究12(臨時増刊号),2006
5) メタボリックシンドローム診断基準検討委員会:メタボリックシンドロームの定義と診断基準.日本内科学会雑誌94:794-809,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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