icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻6号

2010年06月発行

文献概要

連載 働く人と健康・17―過労死・自死相談センター代表の立場から③

過労死の予防対策を考える

著者: 上畑鉄之丞1

所属機関: 1過労死・自死相談センター

ページ範囲:P.504 - P.508

文献購入ページに移動
90年代後半,学会委員会提言とその背景

 前号で紹介した日本産業衛生学会の「循環器疾患の作業関連要因検討委員会」の報告書「職場の循環器疾患とその対策」をめぐる経過を紹介する.この報告は今日でも十分通じる内容でもあるが,当時,大企業に勤務する産業医グループから痛烈な批判を受けたいわく付きのものである.

 発端は,過労死の労災認定や予防に関心を持つ学会員有志が1991年,理事会に設置を提案したことに始まる.提案は翌年学会理事会で承認され,1992年に委員会が設立された.メンバーは,学会地方会や関連委員会から推薦を受けた学会員を中心に20人で構成,大学などの研究者,企業の産業医,中小零細企業労働者の健診や健康管理に従事する勤務医などで,労働組合機関の産業医も1名加わった.

参考文献

1) 日本産業衛生学会循環器疾患の作業関連要因検討委員会報告:職場の循環器疾患とその対策(1998年度)の掲載について.産衛誌41:A9-A14,1999
2) 田端紘子:トヨタ過労死内野事件.法学館憲法研究所ホームページ,2008年2月11日
3) 日本産業衛生学会循環器疾患の作業関連要因検討委員会報告.産衛誌38:A153-A180,1996
4) 厚生労働省労働基準局労働条件確保対策室:「過重労働・賃金不払い残業解消キャンペーン月間」について.厚生労働省ホームページ,2007年10月26日
5) 上畑鉄之丞,天笠崇:過労自殺事例からみた自殺要因にかかわる研究.社会医学研究24:1-10,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら