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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻6号

2010年06月発行

文献概要

連載 保健師さんに伝えたい24のエッセンス―親子保健を中心に・15

歯科保健をめぐって

著者: 平岩幹男12

所属機関: 1東京大学大学院医学系研究科 2

ページ範囲:P.513 - P.516

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はじめに

 広辞苑の第6版では,歯について「鳥類を除く脊椎動物の口腔内にあって食物の摂取,咀しゃく,攻撃,防御にあずかる器官.哺乳類で特に発達し,人間では言語の発声にも関与する.主部は象牙質からなり,表面露出部はエナメル質,歯茎の中はセメント質で覆われる.人間では小児期のもの(乳歯)は永久歯に生えかわる」と書かれており,乳歯は「換歯性(歯の生え変わる)の哺乳類で最初に生える歯,ヒトでは生後6か月頃から生えはじめ,7,8歳~11,12歳の頃まで永久歯とぬけかわる」となっています.

 歯の重要性は誰しも認識していますし,親子保健でも重要な課題のひとつです.生後6か月を過ぎると歯が生え始め,3歳頃には乳歯列が完成し,6歳頃から永久歯との生え変わりが始まり,12歳頃,永久歯列が完成するわけで,この間にはう蝕(虫歯)の問題だけではなく,多くの問題があります.もちろん永久歯列が完成してから後は,生活習慣病に関連する歯周病の問題もありますし,健康な歯を維持することによって,8020(80歳で噛める歯が20本以上)運動へと続いていくわけです.

 また,児童虐待の早期発見の面でも歯科保健は重視されています.歯科健診で,あまりにも汚い口腔,多数のう蝕(たとえば3歳児健診では10本以上)などはネグレクトを中心とした児童虐待を疑うきっかけにもなります.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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