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文献概要
連載 路上の人々・6
「生」
著者: 宮下忠子
所属機関:
ページ範囲:P.537 - P.537
文献購入ページに移動学生を見送りながら,柔和な顔付きで道夫さんは言う.公園は,外国人も多くなり,世界の縮図のようになっている.その中の1人,道夫さんはもう6年位前から西郷さんの裏側で仲間5人と路上生活を続けている.生活費は,夕方から夜にかけて缶集めをして売って,何とか小銭を稼いできた.昼間は仲間の荷物番もしている.既に69歳になった.「もう,体中病気だらけなのだよ.なぜ福祉事務所に生活保護の相談に行かないのかって? もうこれだけ生きれば,後は死ぬのを待つだけだよ.いつかコロリと死ねれば本望さぁ.だって,そうだろう.人間は,死ぬために生きているのだよ」.
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