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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻7号

2010年07月発行

文献概要

特集 現場が求める保健師教育

保健師の卒後教育,現任教育のあり方

著者: 佐伯和子1

所属機関: 1北海道大学大学院保健科学研究院

ページ範囲:P.566 - P.570

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はじめに

 就業保健師数は,平成20年末就業届出では43,446人である.平成21年度保健師活動領域調査1)では,地方自治体の常勤保健師数は31,699人である.保健師の就業分野は,介護保険などの福祉分野,産業分野へと拡大し,一方では,非常勤での勤務者が増加している.健康課題の複雑化・困難化,雇用形態の多様化により,保健師の現任教育の課題は多様化している.

 保健師の現任教育体制は,平成14年度地域保健従事者の資質に関する検討会報告書2)以降,徐々に整備されつつある.保健師活動基盤調査3)によると,新任研修の受講経験は全体で8割,20代前半では9割であり,新任研修は浸透してきた.しかし中堅研修は約1/3,管理研修は約1/2の者に受講機会がなかった.現任教育の重要性は認識されてきたが,教育体制の整備と指導者の育成が課題である.

 本稿では,保健師の卒後教育および現任教育の重要な課題として,新任期の卒後研修制度と現任教育,地区活動が展開できる中堅期の育成,人事管理・組織管理ができる管理者の育成,指導者育成と現任教育を推進するOJT体制の構築に向けての活動について述べる.

参考文献

1) 厚生労働省健康局総務課保健指導室:平成21年度保健師活動領域調査結果,2010
2) 地域保健従事者の資質向上に関する検討会報告書,2003
3) 日本看護協会:保健師の活動基盤に関する基礎調査報告書,2010
4) 日本地域看護学会教育委員会:日本地域看護学会が提案する保健師の卒後臨地研修制度.日本地域看護学会誌12:72-76, 2010
5) 地区活動のあり方とその推進体制に関する検討会報告書,2009
6) 市町村保健活動の再構築に関する検討会報告書,2007
7) 佐伯和子,他:地域保健分野における保健師育成のOJTに対する指導者の意識と組織体制―新任者教育の実践を通して.日本公衛誌56:242-250, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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