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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻7号

2010年07月発行

文献概要

連載 人を癒す自然との絆・12

緑の力を生かした人と地域再生の試み

著者: 大塚敦子

所属機関:

ページ範囲:P.592 - P.593

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 この原稿を書いている4月は,冬の間静まり返っていた庭や畑が目覚め,命の息吹で満たされる季節.今回は,緑の力を生かした人と地域再生の試み「ガーデン・プロジェクト」について書きたい(前号の本欄「薬物からの解放のメタファー」でも簡単に触れている).

 サンフランシスコ郡刑務所の中にオフィスと畑を持つガーデン・プロジェクトは,1984年に刑務所の園芸プログラムとして始まり,1992年には独立したNPOになった.創始者は刑務所のカウンセラーだったキャサリン・スニードという女性.自分がカウンセリングをとおして関わった人たちの多くが,またすぐに再犯で戻ってくるのを見るうち,再犯防止にはその人の生き方を変えるための包括的なサポートシステムが必要であることを痛感するようになった.そこで,薬物依存の受刑者たちとともに刑務所内に畑をつくって,オーガニックの野菜づくりを始めたのである.オーガニック農業が薬物依存の人たちにとって解放のメタファーとなることは,前号で書いたとおりだ.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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