icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻8号

2010年08月発行

文献概要

特集 検証「パンデミックインフルエンザ2009」 パンデミック(H1N1)2009~対策現場からの検証

②新型インフルエンザ対策に関する課題と今後のあり方―保健所(公衆衛生行政機関)の立場から

著者: 白井千香12

所属機関: 1神戸市保健福祉局 2神戸市保健所

ページ範囲:P.662 - P.666

文献購入ページに移動
はじめに

 神戸市では2009年5月に海外渡航歴のないインフルエンザ患者から,豚インフルエンザ(A/H1N1)をPCR検査により確認し,国内初発の新型インフルエンザ対策を経験した.国の行動計画によるガイドラインに基づき,神戸市が設置した「発熱相談センター」の利用および「発熱外来」への受診は,国内発生直後から爆発的に増大し,感染症に対する市民の不安や恐れを現した行動と考えられた.国の対策は切替えが遅く,運用上問題があった.“国内初”であったことから,神戸市が直面した問題はすべて応用問題であった.新たな感染症が次はどこでどのように起こるかわからないが,私たちの辛苦や徒労を繰り返してほしくないと思い,この報告が今後の対策の一助になることを願う.

参考文献

1) 国立感染症研究所実地疫学専門家養成コース(FETP):神戸市・兵庫県新型インフルエンザ集団発生疫学調査報告書 第2部 学校編.平成21年8月
2) 新型インフルエンザに係る検証研究会:神戸市新型インフルエンザ対応検討報告書.pp9-11,平成21年12月
3) 国立感染症研究所感染症情報センター,神戸市保健所:神戸市における新型インフルエンザ臨床像の暫定的なまとめ(第二報),平成21年6月

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら