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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻8号

2010年08月発行

文献概要

特集 検証「パンデミックインフルエンザ2009」 パンデミック(H1N1)2009~対策現場からの検証

③新型インフルエンザの医療体制に関する課題と今後のあり方―医療現場の立場から

著者: 林三千雄1

所属機関: 1神戸市立医療センター中央市民病院呼吸器内科

ページ範囲:P.667 - P.670

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はじめに

 神戸では2009年5月に国内初の新型インフルエンザ国内発生例,およびそれに端を発した地域内流行を経験した.発熱外来の実施は2003年のSARS以来となったが,SARS疑い例では国内での感染者はなかったために,発熱外来の本格的な運用は今回が初めてとなった.

 日本の多くの地域で2009年10~11月に第一波を受けた経験を持っている.第一波では既にある程度の新型インフルエンザの知識の集積があり,封じ込めの必要性も認められない.神戸が経験した前駆波では全国が注目し,感染拡大防止に重点を置く国内発生初期の医療体制とは別々に論じられる必要がある.本格的な国内発生初期を経験したのは兵庫県と大阪府であり,本稿では国内発生初期の医療体制を中心に述べる.

参考文献

1) 林三千雄:2009年5月神戸市における新型インフルエンザの流行―感染症指定医療機関の経験.腎移植血管外科21(2):191-193,2009
2) 林三千雄:流行地の医療現場の実際―神戸.感染対策ICTジャーナル4(suppl. 1):52-57,2009
3) 林三千雄,他:新型インフルエンザ発熱外来における臨床像.病原微生物検出情報30(10):266-267,2009
4) 成田空港検疫所検疫課:成田空港検疫所における新型インフルエンザ対応報告書,平成21年7月22日http://www.forth.go.jp/keneki/narita/pdf/20090805_NQ_H1N1%20flu_Report.pdf
5) 高橋秀明,土橋酉紀,大平文人,豊川貴生,砂川富正,谷口清州,岡部信彦:神戸市・兵庫県新型インフルエンザ集団発生疫学調査報告第1部全体像編,平成21年8月31日http://idsc.nih.go.jp/disease/swine_influenza/pdf09/KobeHyogo1.pdf
6) Sato H, Nakada H, Yamaguchi R, Imoto S, Miyano S, Kami M:When should we intervene to control the 2009 influenza A(H1N1)pandemic?. Euro Surveill 15(1):19455, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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