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特集 検証「パンデミックインフルエンザ2009」 パンデミック(H1N1)2009~対策現場からの検証
④国立感染症研究所における対策
著者: 岡部信彦1
所属機関: 1国立感染症研究所感染症情報センター
ページ範囲:P.671 - P.675
文献購入ページに移動国立感染症研究所(以下,感染研)では,新型インフルエンザが発生した場合,状況によっては感染研における対応について通常の担当部署である感染症情報センターおよびインフルエンザウイルス研究センターのみならず,全所的な対応をとらなくてはいけない場合もあるとして,感染研新型インフルエンザ対策行動計画を作成していた.新型インフルエンザ(パンデミックインフルエンザ2009)発生後は,基本的にはこの行動計画に則って対応した.またこの間,感染研パンデミックインフルエンザ対策会議が頻繁に開かれ,所内における情報の共有および問題点に対する修正が行われた.
しかし現実はすべてスムーズに動いたわけではなく,修羅場のような状態であったり,行動計画通りには行きにくいところも多々見られた.本稿脱稿現在,国における新型インフルエンザ総括会議が行われ,WHOにおいても外部専門家による評価会議が開かれている.おそらくは国内でも多方面で同様のことが行われていると思われるが,感染研においても総括会議が行われ,この経験を今後の危機管理体制に生かそうとしている.
本稿では,感染研新型インフルエンザ対策行動計画の紹介と,それに基づいた取り組みを概説するが,筆者は情報センターに属しており,インフルエンザウイルスセンターの詳細な活動については疎いので,“感染研における対策”と言ってもその内容に偏りのあることをお許し頂きたい.また本誌編集部より当初頂いたタイトルには「評価と展望」とあった.感染研としては,感染研にいる者すべてが最大限の努力を払ったと思うが,その評価と展望については,今後外部からの意見を頂き反省材料としたい.
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