icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻9号

2010年09月発行

特集 分子遺伝疫学

ヒトの分子遺伝疫学研究の原理と方法

著者: 山縣然太朗1

所属機関: 1山梨大学大学院医学工学総合研究部社会医学講座

ページ範囲:P.732 - P.736

文献概要

 クローニングやPCR(polymerase chain reaction)などの分子生物学の発達により,医学研究が分子レベルで展開されるようになって久しい.また,2003年にはヒトゲノム解析計画によって明らかにされたヒトゲノムの30億塩基対の情報が医学,医療に及ぼす影響は計り知れない.それは疫学の領域にも及んでいる.疫学が疾病の発症要因を明らかにする学問である以上,疾病罹患の一要因である遺伝要因を明らかにするために分子レベルでの遺伝情報が必要であり,疾病罹患における遺伝要因と環境要因との交互作用を明らかにして,予防に貢献することが課題となっているからである.この学問領域をヒトの分子遺伝疫学やヒトゲノム疫学(Human genome epidemiology)と言う.本稿では,ヒトの分子遺伝疫学の方法について概説する.また,ゲノム研究と社会との接点についても触れる.

参考文献

1) Yamagata Z, et al:Vitamin D receptor gene polymorphism and bone mineral density in healthy Japanese women. Lancet 344(8928):1027, 1994
2) 鎌谷直之:遺伝統計学入門.岩波書店,2007
3) Ishiyama I, et al:Relationship between public attitudes toward genetic studies related to medicine and their level of scientific literacy in Japan. Am J Med Genet A 146A:1696-1706, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら