icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生74巻9号

2010年09月発行

文献概要

連載 働く人と健康・21―診療所医師の立場から・3

外国人労働者の健康を築く

著者: 沢田貴志1

所属機関: 1港町診療所

ページ範囲:P.786 - P.789

文献購入ページに移動
 これまで外国人労働者のなかには様々な在留資格の人がいることや,労働災害・結核感染症・精神保健・母子保健など多くの分野で支援が必要であることを述べてきた.今回は,外国人労働者の健康を守るためにどのような取り組みが行われているかについて,いくつかの事例を示しながら問題提起をしたい.

 図1は外国人の年齢調整死亡率である.日本人と比べて男性で1.08倍,女性で1.27倍死亡率が高いことが示されている.どのような因子が死亡率の上昇に寄与しているかは明らかではないが,外国人と日本人の間の健康格差が明瞭にあらわれている.筆者は外国人の医療にかかわる中で,医療アクセスを阻む要因として言葉の不自由さ,経済的な障壁,医療情報の不足,などが関係していると考えている.

参考文献

1) 厚生労働省:平成19年度「日本における人口動態―外国人を含む人口動態統計」
2) 西村明夫:NPOと行政との「協働」成功物語~神奈川県の体験から.自治体国際化フォーラム2008年3月号 http://www.clair.or.jp/j/forum/forum/culture/221/index.html
3) 個別施策層に対するHIV感染予防対策とその介入効果の評価に関する研究班(編):外国人医療相談ハンドブック―HIV陽性者療養支援のために.p26,2010http://api-net.jfap.or.jp/siryou/jititai_manual/menu.htm
4) 沢田貴志:治療の提供が早期受診の決め手―外国人のエイズ医療から見えてきたこと.地域医療研究会会報71:2-5,2010
5) 冨田茂,他:在日外国人無料健康診断受診者の結核.国際保健医療22:44,2008
6) MICかながわ(編):医療通訳国際シンポジウム報告書,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら