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連載 世界の健康被害・10
福島の子どもたちの現在―放射能汚染地に生きる
著者: 鎌仲ひとみ12
所属機関: 1多摩美術大学 2国際基督教大学
ページ範囲:P.814 - P.815
文献購入ページに移動3.11から約半年が経った(注:本稿執筆時).依然として事故への対策は,①原発そのものの放射能汚染放出を封じ込め除染する,②被ばくを避ける避難措置をとる,という2つの方法が停滞し,混乱している.福島県以南にあたる茨木,群馬,千葉,埼玉,東京も含めてホットスポットが散在しており,どれだけの人口が年間どれだけの被ばくをすることになるのか,未だ全貌がつかめない.
例えば福島県全体には15歳以下の子どもたちが約28万人,福島市内には4万3千人いる.県全体で約1割の子どもたちが転校した.残った9割はもうすぐ被ばく量が10マイクロシーベルトに達しようとしている.これは最低限の数値であり,呼吸や食事によって引き起こされる内部被ばくは計算に入っていない.福島県内で500人以上の子どもたちの検診を行った小児科医の山田真医師によれば,鼻血,下痢,が高い割合で出てきている.
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