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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生75巻11号

2011年11月発行

文献概要

特集 放射線と向き合う

食品中の天然放射性核種の実態と公衆衛生上の課題

著者: 杉山英男1 寺田宙2

所属機関: 1帝京平成大学健康メディカル学部 2国立保健医療科学院生活環境研究部

ページ範囲:P.856 - P.862

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 今般,東京電力福島第一原子力発電所の事故により原子炉内の人工放射性核種が環境中に放出され,特に放射性ヨウ素と放射性セシウムによる食品の汚染と健康への影響が問題となっている.その一方で,このような原子力関連施設等の事故にかかわらず,地球上には様々な天然放射性核種が存在している.これまで,平常時における食品中に含まれるこれら核種の存在や健康影響については,広く認識されてこなかった.本稿では,食品中の天然放射性核種に視点を置き,その種類,存在,あるいは曝露状況などの実態を示し,公衆衛生上考慮すべき課題への一助とする.

参考文献

1) United Nations Scientific Committee on the Effect of Atomic Radiation:Sources, effects of ionizing radiation. UNSCEAR 2000 report to the general assembly, with scientific annexes. United Nations, New York, 2000
2) 杉山英男,他:食品中の放射性核種の摂取量調査・評価研究,厚生労働省科学研究費補助金食品の安心・安全確保推進研究事業「食品中の有害物質等の摂取量の調査及び評価に関する研究」(主任研究者:松田りえ子〈課題番号:H19-食品-一般-003〉)平成19年度総括・分担研究報告書:67-92,2008
3) 杉山英男,他:食品中の放射性核種の摂取量調査・評価研究,厚生労働省科学研究費補助金食品の安心・安全確保推進研究事業「食品中の有害物質等の摂取量の調査及び評価に関する研究」(主任研究者:松田りえ子〈課題番号:H19-食品-一般-003〉)平成20年度総括・分担研究報告書:53-85,2009
4) 杉山英男,他:食品中の放射性核種の摂取量調査・評価研究,厚生労働省科学研究費補助金食品の安心・安全確保推進研究事業「食品中の有害物質等の摂取量の調査及び評価に関する研究」(主任研究者:松田りえ子〈課題番号:H19-食品-一般-003〉)平成21年度総括・分担研究報告書:65-93,2010
5) Choi MS, et al:Daily intakes of naturally occurring radioisotopes in typical Korean foods. J Environ Radioact 99:1319-1323, 2008
6) Yamamoto M, et al:Polonium-210 and lead-210 in marine organisms;intake levels for Japanese. J Radioanal Nucl Chem Articles 178:81-90, 1994
Pb in the environment of Goa of south-west coast of India. Health Phys 81:438-445, 2001
8) Ota T, et al:Evaluation for commited effective dose due to dietary foods by the intake for Japanese adults. Jpn J Health Phys 44:80-88, 2009
K from ingestion of cooked daily foodstuffs for adults in Japanese cities. J Toxicol Sci 34:417-425, 2009

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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