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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生75巻12号

2011年12月発行

文献概要

特集 広域・複合災害に備える―自治体の公衆衛生活動

被災地における被災者(住民・公衆衛生関係者)の支援活動―陸前高田市の現地調整・後方支援活動から

著者: 佐々木亮平1

所属機関: 1日本赤十字秋田看護大学看護学部看護学科

ページ範囲:P.947 - P.950

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被災地に常にいないことがもたらす客観性

 筆者は,あの3.11発災以来,現在(平成23年9月末)までの半年あまり29週間のうち,ほぼ毎週,延べ56日間を岩手県陸前高田市(以下,被災地)に通い続け,支援活動を継続している.それは筆者が,平成14~18年度に岩手県大船渡保健所の職員として勤務した後,平成19~22年までの3年間,陸前高田市役所に派遣され,家族とともに生活をし,多くの職員や市民のみなさんとともに「陸前高田市で」地域保健活動を行っていたからである.

 発災以降,1週間ほどの交代制で短期的に支援に入るチーム,年単位の長期支援に入るチーム等がある中,「当面,毎週入る」という変則的な支援体制をとったのは,筆者の大学本務との兼ね合いや,災害救助法の枠とは異なる動きとならざるを得なかった等,諸事情があったためである.しかし結果的には「常に現地には居続けないが,現地の実情に精通し,常に現地の状況と経過を把握しながら継続的に協力できる」というスタイルが,被災地にも支援者の一人でもある自分自身にも,良い意味で客観性を持たせていると考えている.

参考文献

1) 佐々木亮平:東日本大震災が警鐘する地域保健活動のこれから―岩手県陸前高田市での活動から見えてきた津波災害への対応.地域保健42(5):72-79, 2011
2) 公衆衛生ねっと(http://www.koshu-eisei.net/)内「陸前高田市のいま」http://www.koshu-eisei.net/saigai/rikuzentakata.html
3) 佐々木亮平:未来を描きつつ先の見える支援を―陸前高田市での支援活動(第三報).地域保健42(7):58-65, 2011
4) 月刊地域保健WEBサイト(http://www.chiikihoken.net/index.php)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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