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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生75巻12号

2011年12月発行

文献概要

連載 衛生行政キーワード・79

結核医療提供体制をどう考えるか―疾病構造の変化に合わせた適切な医療提供体制とは

著者: 伊藤智朗1

所属機関: 1厚生労働省結核感染症課

ページ範囲:P.978 - P.979

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はじめに

 結核は戦後,官民挙げての取り組み,衛生状態の劇的な改善により新規患者数は年々減少傾向にある.昭和26年には新規結核患者が590,662人発生していたものが,平成22年には23,621人と着実に減少している.昭和25年の時点では,本邦の死因の第1位が結核であったが,平成21年には24位となり,結核を取り巻く環境は著しく変化した.

 さらには結核患者の内訳も,かつては比較的若い層にも多い病気であったものは,現在は70歳以上の患者が全体の50%以上を占め,高齢者が中心の病気となっている.さらにその傾向に伴い,結核患者は高齢に伴う疾患を合併することが少なくなく,結核の入院医療提供体制は,かつての結核の治療だけを念頭に隔離と服薬の徹底をしていればよかったものから,その他の疾患も同時に管理する必要あり,患者の多様性に対応できる医療提供体制の構築が求められている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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