文献詳細
文献概要
連載 世界の健康被害・12【最終回】
内部被曝を生きぬく
著者: 鎌仲ひとみ12
所属機関: 1多摩美術大学 2国際基督教大学
ページ範囲:P.980 - P.981
文献購入ページに移動韓国で最も古い大学と言われる梨花大学で,先日映画「六ヶ所村ラプソディー」を上映してもらった.原発をめぐるシンポジウムの一環だった.キャンパスの一角にある古い教会が会場で,庭には森住卓氏が撮影したイラクや福島・飯舘村の写真が展示されていた.絞ったミルクを捨てる酪農家,東京電力本社前でプラカードを持つ農夫の顔,白血病の子どもを抱く母親の姿に,女子大生が熱心に見入っていた.今,韓国では,日本が福島第一原発の事故で停滞しているうちに,海外に自分たちの原発を売ろうと攻勢をかけているらしい.
日本は電力会社が原発を運営し,国が管理するという二重構造で,責任逃れがされやすい.韓国では原発は政府が管理・運営をしている.だから責任の所在もはっきりしている.とはいえ,国民の原発に対する関心は,事故前の日本と同じように薄いようだ.
掲載誌情報