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特集 医薬品・ワクチン開発をめぐる諸課題
ドラッグラグとは何か―様々なtradeoffを考える必要がある
著者: 小野俊介1
所属機関: 1東京大学大学院薬学系研究科
ページ範囲:P.90 - P.93
文献購入ページに移動ドラッグラグを問題視し,解決策を提案しようとする議論の多くで,ドラッグラグが定義されていない.定義不在だと,どんな結果が生じても「我々の対策によってドラッグラグが解決した」と強弁できる.こうした状況に我々がいること自体が,ドラッグラグ問題の深刻さを示している.
ドラッグラグの定義を例えば「日本と米国(または欧州)の両国で承認された新薬群での販売開始日の遅れ」と定義するならば,2000年から2006年までに承認された新薬では約4年程度である1).医薬品医療機器総合機構(Pharmaceutical and Medical Devices Agency:以下,PMDA)が2010年に公表した試算では,2009年度の承認品目では2.0年とされる.
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