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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生75巻2号

2011年02月発行

文献概要

特集 医薬品・ワクチン開発をめぐる諸課題

有効で安全な医薬品開発の支援

著者: 北窓隆子1 志田正純1 皆葉清美1

所属機関: 1独立行政法人医薬基盤研究所研究振興部

ページ範囲:P.99 - P.103

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医薬品の開発状況

 日本の創薬力は,米国,英国に次いで世界第3位であり,「より良い薬をより早く患者さんに届ける」ことは,産学官を超えた医薬品の開発に関わる総ての人間の使命であり,夢である.

 日本では,どのような医薬品の開発が望まれているのであろうか.図1はヒューマンサイエンス振興財団が2005年度に調査1)した60疾患の治療満足度(横軸),治療に対する薬剤貢献度と2010年6月時点の製薬企業が開発中の新薬品目数(円の大きさと数字)の関係について,医薬産業政策研究所が作成2)した図である.治療満足度と治療に対する薬剤貢献度をそれぞれ50%未満・以上に分けた4つの区分で見ると,治療の満足度も低く治療に対する薬剤の貢献度も低い左下の区分に属する疾患の治療薬の開発が待望されていると言えよう.代表例としてはアルツハイマー病が挙げられる.

参考文献

1) 財団法人ヒューマンサイエンス振興財団開発振興委員会・国内基盤技術調査ワーキンググループ:平成17年度(2005)国内基盤技術調査報告書―2015年の医療ニーズの展望.財団法人ヒューマンサイエンス振興財団,2006
2) 江口武志,大久保昌美:アンメット・メディカル・ニーズに対する医薬品の開発・承認状況.医薬産業政策研究所 政策研ニュース31:1-4,2010
3) 江口武志,大久保昌美:アンメット・メディカル・ニーズに対する医薬品の開発・承認状況.医薬産業政策研究所 政策研ニュース31:1-4,2010
4) 経済産業省バイオイノベーション研究会:バイオイノベーション研究会報告書.経済産業省製造産業局,2010
5) 高田幸一,他:オーファンドラッグの開発振興10年の歩みと将来展望―パート2:オーファン制度の国際比較と今後の課題.医薬品研究36(1):13-31,2005
6) 独立行政法人医薬基盤研究所:平成22年度オーファンドラッグの開発振興について,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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