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特集 医薬品・ワクチン開発をめぐる諸課題
ワクチンギャップとこれからの対応
著者: 神谷齊1
所属機関: 1国立病院機構三重病院
ページ範囲:P.109 - P.115
文献購入ページに移動21世紀の医学は,治療から予防中心の医学への転換が求められている.ワクチンはその中核的存在であって,ワクチンを利用した免疫力の高揚が求められている.ワクチンは生物製剤で病原体を不活化,または弱毒化したものに安定剤を加えたものである.本来雑種であるヒトにとってワクチンは異物であるし,自己の免疫系を利用して抗体産生をするわけであるから,頻度こそ少ないものの,予想し得ない副反応が起こることも想定の中である.したがってこのワクチンの性質を正しく理解した取り扱いが必要である.
また,“予防接種によって予防できるすべての疾患(Vaccine Preventable Disease:VPD)は予防しましょう”というのは,予防接種法第2条の精神であるはずであり,それを守れば,ワクチンギャップは本来発生しないはずである1).
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