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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生75巻2号

2011年02月発行

文献概要

連載 保健師さんに伝えたい24のエッセンス―親子保健を中心に・23

性教育とその周辺

著者: 平岩幹男12

所属機関: 1国立成育医療センタークリニカルアドバイザー 2

ページ範囲:P.138 - P.141

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 医師になり小児科の臨床や小児救急,脳の研究に携わっていた頃には,自分が性教育に関わるとは夢にも思っていませんでした.保健行政を担当する仕事に就いてから,思春期相談を始めました.そこで中学生の妊娠の相談にも乗るようになり,何年か経った頃,1人の少女が相談に訪れました.中学校3年生で妊娠4か月でした.その背景にもさまざまな問題を抱えていたのですが,保護者も交えて話し合った結果,人工妊娠中絶を選択しました.知り合いの産婦人科医に手術をお願いし,術後も定期的に相談に来るよう伝えましたが,実際には相談に訪れることはなく,数か月が過ぎました.そして中学校を卒業してから,人工妊娠中絶の手術から半年も経たないうちに,彼女がまた私の前に現れました.妊娠4か月でした.性交渉の相手は前とは別の男性でしたし,避妊も不完全でした.結局また人工妊娠中絶をすることになりましたが,「自分の相談は何だったのだろう」と考え直すきっかけになりました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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