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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生75巻2号

2011年02月発行

文献概要

沈思黙考

「公衆衛生」(Public Health)ということば

著者: 林謙治1

所属機関: 1国立保健医療科学院

ページ範囲:P.149 - P.149

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 「公衆衛生」(Public Health)と「地域保健」(Community Health)の意味する内容が,日本では長い間判然としなかったような気がする.アメリカの成書では,それぞれを明確に定義している.すなわち政府・自治体など公的セクターが健康に関して行う事業を「Public Health」と言い,地域においてプライベート・セクターも含めて行う健康事業を「Community Health」と言っている.後者は公私を問わない活動である.

 ところで中国はじめ台湾,香港,韓国などの漢字圏では,以前から「公衆衛生」ではなく「公共衛生」と称している.厚労省の行政に携わってきたかつての私の上司にこのことを話したところ,彼は“公共政策や公共事業の語感からすれば,国のやるべき仕事として「公共衛生」が位置づけられるのはわかりやすい”との感想をもらしていた.確かに公衆衛生であればむしろ「人」を強く意識しているので,「Public Health」と言うよりは「the public's health」と言うべきであろう(the+形容詞=…の人々,という文法規則を思い出していただきたい).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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