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特集 子どもを護る―社会的不利への介入と支援
豊かな社会における子どもの貧困問題―母子生活支援施設の子どもをめぐって
著者: 中澤香織1 松本伊智朗2
所属機関: 1札幌学院大学人文学部人間科学科 2北海道大学大学院教育学研究院
ページ範囲:P.174 - P.178
文献購入ページに移動子どもは成長と発達の途上にあり,大人によって養育され,成長に伴う様々な機会を保障されるべき存在である.しかし,経済的困窮をはじめとする家族の抱える困難により子どもの基本的な生活が脅かされるなど,不適切な状態にあることが認識され始め,子どもの貧困についての論議が高まっている.またそのなかで具体的な調査がなされ,子どもの健康,教育達成の不利,被虐待体験などの問題と貧困の関連が明らかにされ始めてきている1).
子どもが貧困状態にあることは,子どもから様々な機会を奪うことであり,同時に後の人生に影響を与える,放置できない問題である.貧困問題への取り組みは社会の責務であるという認識や,家族の抱える困難が子どもの貧困にどのようにつながっているのかという理解が,貧困の解決に向けて問われる.
そこで本稿では,母子家庭の生活を通して,子どもの生活に表れている様々な困難の様子を明らかにしていく.
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