icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生75巻3号

2011年03月発行

文献概要

特集 子どもを護る―社会的不利への介入と支援

子どもを護る保健師活動の現状と課題

著者: 上野昌江1

所属機関: 1大阪府立大学看護学部地域看護学分野

ページ範囲:P.197 - P.201

文献購入ページに移動
保健師が向き合う子ども虐待防止活動とは

 平成22年7月に出された「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について第6次報告」(2010,厚生労働省)によれば,虐待による死亡事例のうち心中以外の事例では0歳児が約6割を占め,そのうちの約6割強が生後1か月未満と報告されている.また,加害者の約6割が実母となっている.乳児期は母親による家庭内の養育が中心であり,虐待発生予防において,妊娠中および乳幼児期からの子どもと親・家族への早期支援が重要な鍵となる.

 地域で活動する保健師は,母子保健のスタートである妊娠届時から3歳児健康診査等の母子保健施策の中で,地域に生活しているすべての妊産婦や乳幼児を把握し,支援を提供できる立場にあり,虐待発生予防の第一線にいる.

参考文献

1) ベナーP,他:現象学的人間論と看護.医学書院,1999
2) Browne K, et al:A community health approach to the Assessment of infant and their parents;The CARE programme. Wily, 2006
3) ハーマンJL:心的外傷と回復.みすず書房,1999
4) 小林美智子,他(編著):子ども虐待 介入と支援のはざまで.明石書店,2007
5) こうのとりのゆりかご検証会議:「こうのとりのゆりかご」が問いかけるもの―こうのとりのゆりかご検証会議・最終報告.熊本県,2009
6) 西澤哲:トラウマの臨床心理学.金剛出版,1999
7) 岡野禎治,他:日本版エジンバラ産後うつ病自己評価票(EPDS)の信頼性と妥当性.精神科診療学7(4):525-533,1996
8) Olds DL, et al:Preventing child abuse and neglect;A randomized trial of nurse home visitation. Pediatrics 78(1):65-78, 1986
9) Olds DL, et al:Long-term effects of home visitation on maternal life course and child abuse and neglect. Fifteen-year follow-up of a randomized trial. JAMA 278(8):637-643
10) 社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会:子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について第6次報告.厚生労働省雇用均等・児童家庭局,2010
11) 鈴宮寛子・山下洋・吉田敬子:出産後の母親にみられる抑うつ感情とボンディング障害―自己質問紙を活用した周産期精神保健における支援方法の検討.精神科診断学14(1):49-57, 2003
12) 上野昌江,他:児童虐待予防にむけた周産期からの家庭訪問プログラムの開発と有効性の検討.平成15-18年度科学研究費補助金(基盤研究C)研究成果報告書,2007
13) 上野昌江,他:児童虐待防止における保健師の家庭訪問による支援内容の分析―母親との信頼関係構築に焦点をあてて.子どもの虐待とネグレクト8(2):280-289, 2006
14) 吉田敬子,他:産後の母親と家族のメンタルヘルス―自己記入式質問票を活用した育児支援プログラム.母子保健事業団,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら