公衆衛生75巻3号

2011年03月発行

連載 衛生行政キーワード・74

日本における介護予防―介護予防事業の現状と課題について

著者： 日野原友佳子¹

所属機関： ¹厚生労働省老人保健課

ページ範囲：P.246 - P.248

介護保険制度を巡る状況について

　平成12年から発足した介護保険制度については，現在約10年が経過したところであり，高齢者の家族の介護負担を減らすなど，多くの効果が得られている．一方で，制度の維持に向け，急速な高齢化への対応等，様々な課題が指摘されているところである．

　わが国は，すでに5人に1人以上が65歳以上という超高齢社会を迎えているが，依然として高齢化率は上昇の一途をたどっている．2030(平成42)年の65歳以上の人口割合は，現在の約1.5倍である31.9%にのぼり，75歳以上の人口割合をとってみても，19.7%を占めると推計されている¹⁾．

参考文献

1) 厚生労働省老健局：地域支援事業実施要綱(最終改訂：平成21年8月6日)

2) 社会保険研究所：介護保険制度の解説，平成21年5月版