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COPD
著者: 日置敦巳1
所属機関: 1岐阜県岐阜保健所
ページ範囲:P.216 - P.216
文献購入ページに移動COPDによる各都道府県の年齢調整死亡率は,日平均気温および日最低気温の平均値と最も相関を示し(相関係数男0.35~0.64,女0.47~0.73),気温と関連する何らかの交絡因子が死亡率に影響している可能性も示唆された.一方,大気汚染指標のうちの浮遊粒子状物質(SPM)濃度との相関係数は,男で-0.35~0.11,女で-0.13~0.33であった.弱い正の相関が見られた2005年にはSPMと気温の相関係数も0.40~0.67となっていることから,単年の分析でCOPD死亡へのSPMの影響を過大評価しないよう注意する必要がある.COPDによる年齢調整死亡率と他の気象および大気汚染に関する指標,喫煙率との間には相関は見られなかった.COPDによる月別死亡数を見ると,12月および1月にやや多い傾向となっており,気温の高い時期には多くなかった.結核罹患率も同様に気温との相関が認められ,それらの背景に興味が持たれる.
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