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特集 超高齢社会に備える
超高齢社会における介護保険制度の展望
著者: 大森彌12
所属機関: 1東京大学 2社会保障審議会
ページ範囲:P.272 - P.275
文献購入ページに移動超高齢社会は,社会の高齢化に関する分類・呼称である.全人口に占める65歳以上人口の比率が7%を超え14%までの社会を「高齢化社会」,14%を超え21%までの社会を「高齢社会」,21%を超えた社会を「超高齢社会」と言っている.これは,7%を基準に,その倍,その3倍を区別する分類である.1970年に7%を超え,1994年に14%を超え,2005年には21%になった.日本は,すでに超高齢社会である.倍化まで24年,3倍化まで35年である.4倍化の28%になるのは2030年と推計されている.いわゆる団塊の世代(ベビーブーム世代)が前期高齢者に到達するのは2015年,後期高齢者になるのが2025年である.そのくらいの長期見通しに立って,必要な介護サービスとその経費を考えておかなければならない.
日本の高齢者人口の推移の特色は,高齢化の進展の「速さ」と同時に,その高齢化率の「高さ」(高齢者数の多さ)にある.現在約2,950万人である高齢者人口が2025年には約3,500万人に達すると推計されている.その間,いくつか重視しなければならない変化が想定される(以下の数字は,厚労省「介護施設等のあり方」委員会第1回に提出された資料4によっている).
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