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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生75巻4号

2011年04月発行

文献概要

特集 超高齢社会に備える

超高齢社会とユニバーサルデザイン

著者: 永田久雄1

所属機関: 1財団法人 労働科学研究所

ページ範囲:P.305 - P.309

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はじめに

 製品,社会・生活環境,サービスづくりにおいて,計画段階からできる限り多くの人々を包含することを目指すことを謳った,米国生まれの「ユニバーサルデザイン(以後,UDと略す)」がこの10年で日本社会に急速な勢いで広がってきた.その先導役となったのは作り手側の建築家,デザイナーたちである.

 私はUDに関して10年以上前から関わってきたが注),当初から日本でのUDの広がりの陰に,シルバー産業育成を優先とした表面的で個別的な取り組みがなされていると危惧してきた.その結果として,生活者のための製品,社会・生活環境,サービスづくりであるはずのコンセプトが十分に理解されずに,このカタカナ言葉が特別な力を秘めているかのように理解されたり,完成されたデザイン様式やテクニックのように考えられたり,あるいは一部には,障害者差別撤廃,男女平等に関する運動と理解されたり,デザインの権威づけに利用されたりしている.

 本稿では,生活者から見た超高齢社会におけるUDとその本質について考えたい.

参考文献

1) Molly Follette Story:Principles of Universal Design, Chapter 10. Universal Design Handbook, McGraw-Hill, 2001
2) Seven Principles:The Center for Universal Design, North Carolina State University. http://www.ncsu.edu/www/ncsUDesign/sod5/cUD/about_UD/UDprinciples.htm
3) 永田久雄,佐々木昭彦,西田泰,白石正明:ユニバーサルデザインと高齢社会―情報共有と分野間連携のために.UD展示・研究会資料,2001年1月11-12日,厚生労働省産業安全研究所(研究会資料)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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