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公衆衛生とリスク
著者: 西村周三1
所属機関: 1国立社会保障・人口問題研究所
ページ範囲:P.354 - P.355
文献購入ページに移動しかしながらこれまでは,最初に述べた「リスクの客観的数量化」に研究がやや偏って,人々がリスクにどのように向き合うか,の分析が少ない.それにはそれなりの理由がある.後者の問題を分析するためのツールが,比較的新しく発展してきた「行動経済学」が確立するまで,あまりなかったからである.「行動経済学」というのは経済学の一分野のように見えるが,実は心理学と経済学の共同生産物である.と言うより正確には,心理学からの経済学批判から生まれたとも言える分野である.したがってどちらかと言うと,心理学者たちが確立した分野であると理解すべきであろう.
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