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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生75巻5号

2011年05月発行

文献概要

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あとがき・次号予告 フリーアクセス

著者: 西田茂樹

所属機関:

ページ範囲:P.430 - P.430

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 先日,ある研究会で,農産物の残留農薬の検査結果についての発表が行われていました.その中で,農薬の残留基準値の決め方について解説した上で,農産物の一部から残留農薬が検出されているが,いずれも基準値以下であり,流通している農産物は検査結果から見ると安全であるとの報告がされました.この発表を聞いていた公衆衛生従事者のひとりが「安全と言うのではなく,農薬が検出されたのだから農産物をよく洗うようにと注意すべきだ」との感想を述べていたと,後日聞きました.

 特集をお読み頂くとおわかりのとおり,残留基準値以下の農薬は,土埃や汚れを気にしなければ,そのまま食べても,健康に影響しないことが科学的に検証されています.しかも,毎日食べ続けても健康を害しない値です.このことを説明されても,「農薬はからだに悪いから,少しでも残っていたらよく洗わなければいけない」と思い込んでいたようです.残留農薬の危険性に対する思い込みの深さに,考え込んでしまいました.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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