公衆衛生75巻6号

2011年06月発行

特集 基礎から学ぶ環境衛生

大地震等の災害時における環境衛生対策

著者： 五味武人¹ 竹内彦俊² 鈴木晃³ 八木憲彦⁴ 中島二三男⁵ 奥田博子³

所属機関： ¹東京都港区みなと保健所生活衛生課 ²宮崎市保健所保健衛生課 ³国立保健医療科学院 ⁴財団法人東京都医学総合研究所 ⁵東京都環境局環境改善部大気保全課

ページ範囲：P.465 - P.470

はじめに

　平成20～21年度の厚生労働科学研究「地域健康危機管理に従事する公衆衛生行政職員の人材開発及び人員配置に関する研究」，平成22年度の同研究「地域健康安全を推進するための人材養成・確保のあり方に関する研究」［両研究とも研究代表者：曽根智史(国立保健医療科学院)］に参加し，健康危機事例を基に，行政に勤務する公衆衛生職員の役割を検討する機会を得た^1,2)．

　この研究成果から，大地震等の発生時における環境衛生監視員の役割と，関係職種，特に保健師との連携について述べるとともに，霧島連山の新燃岳噴火災害において，宮崎県都城保健所が本研究成果を活用した事例を紹介する．

参考文献

1) 鈴木晃，八木憲彦，中島二三男，五味武人，竹内彦俊，奥田博子：地域健康危機管理に従事する環境衛生監視員の人材開発及び人員配置に関する研究．厚生労働科学研究費補助金(健康安全・危機管理対策総合研究事業)「地域健康危機管理に従事する公衆衛生行政職員の人材開発及び人員配置に関する研究」(研究代表者：曽根智史)．平成21年度総括・分担研究報告書，pp91-105, 2010―平成20年度総括・分担研究報告書，pp91-111, 2009

2) 鈴木晃，八木憲彦，竹内彦俊，五味武人，奥田博子：保健所職員(環境衛生監視員)の資質・能力を向上させるための教育研修手法開発に関する研究．厚生労働科学研究費補助金(健康安全・危機管理対策総合研究事業)「地域健康安全を推進するための人材養成・確保のあり方に関する研究」(研究代表者：曽根智史)．平成22年度総括・分担研究報告書，pp23-35, 2011

3) 大規模災害における保健師の活動に関する研究班〔分担事業者：村田昌子(全国保健師長会)〕．大規模災害における保健師の活動マニュアル―阪神淡路・新潟県中越大震災に学ぶ平常時からの対策．平成17年度地域保健総合推進事業「大規模災害における保健師の活動に関する研究」報告書，全国保健師長会事務局，2006年3月