icon fsr

文献詳細

雑誌文献

公衆衛生75巻8号

2011年08月発行

文献概要

連載 地域づくりのためのメンタルヘルス講座・5

自殺の危険の高い人たちの自殺リスクはどのように推移するのですか?支援のあり方にはどのような注意が必要ですか?

著者: 勝又陽太郎1

所属機関: 1独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺予防総合対策センター自殺実態分析室

ページ範囲:P.637 - P.640

文献購入ページに移動
はじめに

 自殺に至るまでのプロセスは複雑かつ多様であり,自殺リスクの推移を完璧に察知して自殺の発生を予測することは,おそらく不可能である.冒頭から敗北宣言のようになってしまったが,援助者はこうした限界の中で,自殺予防に取り組む必要があるのが現実である.

 本稿では,こうした自殺予防活動の限界を前提としつつ,これまでの研究や臨床知見の積み重ねの中から,援助者に知っておいていただきたい自殺リスクの推移と,支援の注意点についてまとめて紹介したい.

参考文献

1) Harris EC, et al:Suicide as an outcome for medical disorders. Medicine(Baltimore)73:281-296, 1994
2) Hawton K, et al:Suicide. Lancet 373:1372-1381, 2009
3) Van Orden KA, et al:The interpersonal theory of suicide. Psychological review 117:575-600, 2010
4) Phillips MR, et al:Risk factors for suicide in China;A national case-control psychological autopsy study. Lancet 360:1728-1736, 2002
5) Wasserman D:Suicide;An Unnecessary Death. Martin Dunitz Ltd, London, 2001[邦訳/小林章雄,他(監修):自殺予防学 医師・保健医療スタッフのために.学会出版センター,2006]
6) Shneidman ES:Suicide as Psychache;A Clinical Approach to Self-Destructive Behavior. Jason Aronson Inc, Pennsylvania, 1993[邦訳/高橋祥友(訳):シュナイドマンの自殺学―自己破壊的行動に対する臨床的アプローチ.金剛出版,2004]

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら