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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生75巻9号

2011年09月発行

文献概要

連載 地域づくりのためのメンタルヘルス講座・6

虐待,暴力を経験した人たちの抱えやすいメンタルヘルス問題の特徴と支援上の注意事項を教えて下さい

著者: 松本俊彦12

所属機関: 1独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部 2自殺予防総合対策センター

ページ範囲:P.725 - P.728

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地域のよくある困難事例

 最初に,地域保健の現場でしばしば遭遇する,ある典型的な事例から始めよう.

 「20代後半女性,幼い子どもを持つひとり親の母である.前腕から上腕にかけて,リストカットや火のついたタバコを皮膚に押しつけたとおぼしき,古い自傷行為の痕が多数ある.最近では,内縁関係にある夫の暴力が激化するたびに,複数の医療機関から入手した向精神薬を過量摂取することを繰り返している.

参考文献

1) Van der Kolk BA, Perry JX, Herman JL:Childhood origins of self-destructive behaviors. Am J Psychiatry 148:1665-1671, 1991
2) Ross CA:Dissociative identity disorder;diagnosis, clinical features, treatment of multiple personality (2nd ed) John Wiley & Sons Inc, NY, 1996
3) 松本俊彦:自傷行為の理解と援助―「故意に自分の健康を害する」若者たち.日本評論社,2009
4) Putnam FW:Diagnosis and treatment of multiple Personality disorder. Guilford Press, New York, 1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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