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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生75巻9号

2011年09月発行

文献概要

沈思黙考

原発との共存か,脱原発か

著者: 林謙治1

所属機関: 1国立保健医療科学院

ページ範囲:P.732 - P.732

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 夏が近づいたこともあって,テレビでは毎朝その日の電気使用予定量が最大供給可能量の何%になりそうか,を予報している.言うまでもなく電気節約の呼びかけである.政府機関は7~9月の3か月間前年比15%の削減を決めており,違反機関にはペナルティを課すことになっている.当国立保健医療科学院もこれに従うことになるが,この間の研修はすべて,10月以降に延期することになった.

 電気量の供給は1日の総発電量と関係する他に,1日のうち使用量がピーク時に達したときの対応の問題がある.夏になると相当暑いので冷房を入れるが,冷房を入れると熱を室外に出すから外気温はますます上がり,結局冷房が止められないという悪循環を繰り返してきた.15%の削減を実行すればある程度悪循環が断ち切られるので,ひょっとして例年ほど暑くならずに何とか凌げるかも知れない.職場では「楽観的」と揶揄されている.民間の電力大口消費者にも15%規制がかかるそうだが,とりわけ製造業への影響は大きい.壮大な社会実験として観察してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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