文献詳細
文献概要
予防と臨床のはざまで
釜石・大槌地区訪問(2)
著者: 福田洋1
所属機関: 1順天堂大学医学部総合診療科
ページ範囲:P.738 - P.738
文献購入ページに移動その後,工場内の仮設住宅を巡視.当時,市内のいたるところで急ピッチで仮設住宅の設置が進められていましたが,それでも連休明けの入居がやっと,という状況でした.震災後すぐに着工され3月末には入居できた仮設住宅は,社員にとって,とても心強い支援だったようです.息子さんが社員で,仮設住宅の掃除に来ていた母親とお会いしました.家財はすべて津波で流されたため,着ているものもすべて支援物資だと言います.多くの人との避難生活も長引き,時には一人になりたくなる,この仮設住宅には感謝していると話されました.瓦礫からただ1つ見つかったという家族の昔のアルバムは,泥だらけでしたが大切にビニール袋に入れられていました.それまで元気に話されていたのが,急に涙ぐみ,私たちは落ち着くまでじっと待ちました.帰り際に,東京から持参したお土産の鳩サブレーを渡し,「何かありましたらご相談下さい」とRescue311のカードを手渡しました
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