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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生76巻1号

2012年01月発行

文献概要

特集 生食のリスク

生食とカンピロバクター

著者: 伊藤武1 和田真太郎1

所属機関: 1(財)東京顕微鏡院

ページ範囲:P.24 - P.29

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 カンピロバクターは1950年代には下痢症状がある患者の血液培養から時々検出されていたが,糞便からの分離培養に成功していなかった.1972年になって,ベルギーの内科医Butzlerらは,下痢患者の糞便を濾過することにより,初めて糞便からカンピロバクターを証明し,本菌の下痢原性を明らかにした.その後,カンピロバクターの選択分離培地や簡易な微好気培養法が開発され,カンピロバクターは最も主要な下痢症原因菌であること,食品や飲料水による感染が頻発していることが明らかにされてきた.国内においても1983年,厚生省(当時)はカンピロバクターを食中毒と位置付け,食品衛生からの対策が重要であるとした.

 本稿では,カンピロバクター食中毒の概要と家畜・家禽における分布,食肉汚染について紹介し,カンピロバクター食中毒,特に鶏肉やレバーの生食によるカンピロバクター食中毒とその対策について解説する.

参考文献

1) 伊藤 武:最近の食品事故について~主に微生物.食衛誌52(1):J7-13, 2011
in Miyagi Prefecture. Journal Food borne Pathog Dis 5:641-648, 2008
3) 伊藤武:人のカンピロバクター症.獣医畜産新報60(11):911-915, 2007
4) 伊藤武,他:ニワトリにおけるカンピロバクターの保菌状況ならびに本菌の排菌推移および養鶏場環境における本菌汚染状況.感染症誌59(2):86-93, 1985
の汚染状況ならびに分離菌株の血清型に関する研究.感染症学雑誌62(1):17-25, 1988
6) 品川邦汎:食鳥肉のカンピロバクター汚染とその防止.食品衛生研究56(8):25-31, 2006
7) 小野一晃:牛レバーや鶏レバーのカンピロバクター汚染状況.食品衛生研究56(8):17-24, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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