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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生76巻1号

2012年01月発行

文献概要

特集 生食のリスク

食肉・野生動物の生食と寄生虫症

著者: 山﨑浩1 森嶋康之1 八木田健司2

所属機関: 1国立感染症研究所寄生動物部第二室 2国立感染症研究所寄生動物部第一室

ページ範囲:P.30 - P.36

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はじめに

 豚肉や牛肉などの食肉からヒトが感染する寄生虫は古くから知られているが,最近,豚レバーや馬肉を感染源とする新興寄生虫症による食中毒事例の発生,さらに,狩猟や獣害対策で得られた野生動物肉(ジビエ)を地域振興策の一つとして販売する動きも見られ,これらを感染源とする寄生虫の種類は多様化の傾向がある(表).そこで,食肉に潜む寄生虫とヒトとの関わりについて理解しておくことは,食の安全や感染予防の観点から重要と考えられる.字数に限りがあるので,本稿では,食肉を感染源とする寄生虫の中で公衆衛生学的に重要な寄生虫や,最近話題になっている寄生虫を中心に概説する.

参考文献

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and toxoplasmosis in Japan. Asian Parasitology, Vol.4, Federation of Asian Parasitologists Journal Ltd, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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