文献詳細
連載 フィールドに出よう!・1【新連載】
文献概要
フィールドに出よう!
と言ったはいいものの,「フィールドって何?」と,ここで躓くとなかなか先には進めない.単に「現地」とか「現場」と言っても良いのかもしれない.ところが,例えば日本文化人類学会が発行している『フィールドワーカーズ・ハンドブック』1)をその調子で訳すと,『現場労働者の手引書』となってしまう.人類学に限らず,多くの研究者や実践家は,たぶんこの「現場労働者」という響きを嫌う.差別,かもしれない.が,国際保健の分野でも,研究室の外に出て海外で活動をする際は,「フィールド」という言葉の響きのほうがより自然となっている.本連載では「フィールド」という言葉にこだわりたい.
と言ったはいいものの,「フィールドって何?」と,ここで躓くとなかなか先には進めない.単に「現地」とか「現場」と言っても良いのかもしれない.ところが,例えば日本文化人類学会が発行している『フィールドワーカーズ・ハンドブック』1)をその調子で訳すと,『現場労働者の手引書』となってしまう.人類学に限らず,多くの研究者や実践家は,たぶんこの「現場労働者」という響きを嫌う.差別,かもしれない.が,国際保健の分野でも,研究室の外に出て海外で活動をする際は,「フィールド」という言葉の響きのほうがより自然となっている.本連載では「フィールド」という言葉にこだわりたい.
参考文献
1) 日本文化人類学会(監修),鏡味治也,関根康正,橋本和也,森山工(編):フィールドワーカーズ・ハンドブック.世界思想社,2011
2) ブロニスワフ・マリノフスキ(著),増田善郎(訳):西太平洋の遠洋航海者.講談社学術文庫,2010
3) ジョン・ヴァン=マーネン(著),森川渉(訳):フィールドワークの物語;エスノグラフィーの文章作法.現代書館,1999
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