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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生76巻1号

2012年01月発行

文献概要

資料

新型インフルエンザ流行時のインターネット検索頻度から見た情報の推移

著者: 梶木綾1 河合夏実1 倉田明奈1 垣本和宏1

所属機関: 1大阪府立大学看護学部

ページ範囲:P.79 - P.82

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緒言

 2009年4月にメキシコおよびアメリカ本土で報告された1)豚インフルエンザは,その後,新型インフルエンザとして全世界に広がり,日本では2009年5月9日の成田空港検疫所での感染例の確認後,時期を追うごとに感染者が増加していった.過去のスペイン風邪の世界的な感染拡大の経験などから,新型インフルエンザの拡大は脅威となり,マスコミの連日の報道を通じて様々な情報が発信されていたが,その一方で,新型インフルエンザに関する情報をインターネットの知識検索サービスを通じて収集していた人々も多くいた.リスクコミュニケーションによる住民を交えた情報の共有は,住民の協力と共に,被害を軽減する点において重要であるため,感染時期やマスコミからの報道に対してどのように住民の関心が変化しているかを知ることは,今後,新興感染症が拡大する際のリスクコミュニケーションを考察する上でも有用な情報となる.

 そこでわれわれは,知識検索サービスでの質問件数の変化を分析し,さらに流行の時期やマスコミの報道に応じた質問内容の変化を検討することにより,新型インフルエンザに関する国民の関心の変化を明らかにした.

参考文献

1) World Health Organization:Influenza-like illness in the United States and Mexico, 2009 http://www.who.int/csr/don/2009_04_24/en/index.html(アクセス日2010年9月3日)
2) Yahoo!知恵袋 http://chiebukuro.yahoo.co.jp/
3) 成長著しい知識・情報共有サービス「Yahoo!知恵袋」の利用者数は1年で2.7倍に.ネットレイティングス株式会社,2008 http://www.netratings.co.jp/New_news/News04222008.htm(アクセス日2010年9月10日)
4) 勝谷紀子,他:日本における自殺のしろうと理論-Yahoo!知恵袋の質問データの分析.日本大学文理学部人文科学研究所研究紀要79:61-66, 2010
5) YOMIURI ONLINE,新型インフル初の国内感染.2009年5月16日 http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/mixnews/20090517ok01.htm(アクセス日2010年9月10日)
6) 国立感染症研究所感染症情報センター:Influenza cases reported per sentinel weekly http://idsc.nih.go.jp/idwr/kanja/weeklygraph/01flu.html(アクセス日2010年12月21日)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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