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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生76巻11号

2012年11月発行

文献概要

特集 スクリーニング―その進化と課題

進化するスクリーニング検査―その適用をめぐる課題と展望

著者: 祖父江友孝1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科環境医学

ページ範囲:P.844 - P.848

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はじめに

 スクリーニングは,疾病・障害の早期発見・早期治療を目的として,疾病対策の主要な手段として用いられてきている.1968年にWilson-Jungnerが示したスクリーニングの適用に関する原則(WHO)では,以下の条件が列記されている.
①検診の対象となる状況が重要な健康問題であること
②対象となる状況の自然史がよくわかっていること,発見可能な早期段階があること
③早期に対する治療が,進行期に対するよりも効果が大きいこと
④早期に対する適切な検査が存在すること
⑤検査が許容できるものであること
⑥繰り返し検診の間隔が決定されていること
⑦検診により生じる追加的な臨床業務に対して,適切なヘルスサービスの準備がなされること
⑧身体的,精神的リスクが利益よりも小さいこと
⑨費用が利益とバランスのとれたものであること

 これらの条件は,そのまま現在でも適用可能な,よく吟味されたものであるが,これまでのスクリーニングの適用が,必ずしもこの原則通りに行われてきたわけではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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