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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生76巻11号

2012年11月発行

文献概要

連載 「笑門来健」笑う門には健康来る!~笑いを生かした健康づくり・8

笑って認知症予防?―「笑い」と「認知症」との関連について

著者: 大平哲也1

所属機関: 1大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学講座公衆衛生学

ページ範囲:P.900 - P.903

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 急速に高齢化が進んでいるわが国において,認知症の急増が指摘されています.厚生労働省の推計によると,2012年現在のわが国の認知症高齢者は300万人を超えるとされており,2002年の149万人から倍増しています.これは,65歳以上人口の10人に1人にあたります.認知症は,活動性の低下,引きこもり,寝たきり,心筋梗塞・脳卒中,生命予後との関連が指摘されており,その予防は現在の高齢化社会の中で,重要な課題と考えられます.

 一方,笑いは,ユーモアを理解し,面白いと思うことで起こってきますので,高次脳機能によりその機能が維持されていると考えられます.したがって,日常生活において笑う頻度が多いことは,高次脳機能を維持していることを一部反映している可能性があります.それでは,実際に笑いは,認知機能や認知症に関連するのでしょうか?

参考文献

1) Middleton LE, et al.:Promising strategies for the prevention of dementia. Arch Neurol 66:1210-1215, 2009
2) 大平哲也:笑いを生かした健康づくり4 笑うと血糖値が下がる?「笑い」と「糖尿病」の関連について.公衆衛生76:563-566, 2012
3) 大平哲也:笑いを生かした健康づくり5 笑うと血圧が下がる?「笑い」と「高血圧・循環器疾患」の関連について.公衆衛生76:649-652, 2012
4) Verghese J, et al.:Leisure activities and the risk of dementia in the elderly. N Engl J Med 348:2508-2516, 2003
5) 大平哲也,他:認知症高齢者の相補代替医療(CAM):笑い・ユーモア療法による認知症の予防と改善.老年精神医学22:32-38, 2011
6) Ko HJ, et al. :The Effects of laughter therapy on depression, cognition, and sleep among the community-dwelling elderly. Geriatr Gerontol Int 11:267-274, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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