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沈思黙考
世界の生活習慣病対策
著者: 林謙治1
所属機関: 1国立保健医療科学院
ページ範囲:P.129 - P.129
文献購入ページに移動昨(2011)年9月国連総会において生活習慣病を重要なGlobal Issueとしてとらえ,国連政策のPriority Areaであることを決議した.健康問題がWHOを超えて国連総会の場で決議されることは珍しい.ここまで持って来られた主な理由は2つある.1つは生活習慣病による死亡は世界レベルにおいてすでに全死亡の60%を超えており,もはや先進国だけの問題でなくなっていることである.これによる平均寿命以前の早期死亡は多大な労働力を喪失させ,経済成長の阻害要因となっていると認識されたからである.第2に,生活習慣病は日常生活行動に起因するが,個人の自覚や保健指導だけでは簡単に予防することはできない.そのためにはヘルス・セクターを超えた全セクターの協調,あらゆる産業の協力(食品,交通,流通等)や官民一体化の努力が求められるため,国連総会としての決議がなされた必然的な理由があったと思われる.
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