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文献詳細

雑誌文献

公衆衛生76巻3号

2012年03月発行

文献概要

特集 アルコール関連問題

わが国の飲酒運転の現状と今後の対策

著者: 尾﨑米厚1

所属機関: 1鳥取大学医学部社会医学講座環境予防医学分野

ページ範囲:P.200 - P.204

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はじめに

 飲酒運転は,被害者,加害者のみならず,社会に大きな影響を及ぼす.近年になり,痛ましい飲酒運転事故被害の報道などが続き,飲酒運転加害の厳罰化に向けての世論が形成され,罰則が強化され続けてきた.これは,交通事故による生命,健康あるいは医療費の損失を防止するための公衆衛生学的介入とも解釈できる.これには,一定程度の効果があったと考えられているが,その傾向を詳細に分析し,対策の効果を客観的に評価し,今後の課題や対策を考察することは重要である.

 わが国の飲酒運転の実態を知るためには,警視庁から公表されている飲酒運転についての統計を見ることになる.詳細な情報は,交通事故総合分析センターから公表されている.交通事故の統計は,統計作成時の情報の分類の問題などが指摘されているが,他の方法による情報収集が困難なため,公表情報を元に分析を行うことになる.

参考文献

1) 警視庁交通局:平成22年中の交通事故の発生状況,2011
2) 警視庁交通局:平成22年中の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取り締り状況について,2011
3) 交通事故総合分析センター:イタルダ・インフォメーション飲酒運転事故,No.18,1998 http://www.itarda.or.jp/info18/info18_1.html.
4) 交通事故総合分析センター:イタルダ・インフォメーション飲酒と交通事故,No.28,2000 http://www.itarda.or.jp/info28/info28_1.html
5) 中山寿一,樋口進,神奈川県警察本部交通部交通総務課:飲酒と運転に関する調査.久里浜アルコール症センターと神奈川県警察との共同研究http://www.police.pref.kanagawa.jp/ps/69ps/69pic/69pic028_001.pdf
6) 樋口進:成人の飲酒と生活習慣に関する実態調査研究(分担総合研究報告書:平成19~21年度).厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患等生活習慣病対策研究事業)/わが国における飲酒の実態ならびに飲酒に関連する生活習慣病,公衆衛生上の諸問題とその対策に関する総合的研究(主任研究者:石井裕正)
7) Nagata T, et al:Effectiveness of a law to reduce alcohol-impaired driving in Japan. Injury Prevention 14:19-23, 2009
8) Desapriya E, et al:Impact of lowering the legal blood alcohol concentration limit to 0.03 on male, female and teenage drivers involved alcohol-related crashes in Japan. Int J Inj Contr Saf Promot 14:181-187, 2007
9) 藤田悟郎:警察の飲酒運転対策と関連機関との連携.日本アルコール関連問題学会雑誌12:15-18, 2010
10) 今成知美:海外における飲酒運転者への教育の現状.日本アルコール関連問題学会雑誌10:16-20, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1170

印刷版ISSN:0368-5187

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